京都大学の花山天文台は昭和4年にできて以来、現在は「アマチュア天文学の聖地」と言われています。その天文台がいま、存続の危機にあります。
口径45cmの望遠鏡は、電気でなく重力時計の「からくり」で動きますが、いまでも現役。90年近くの歴史の中では、最先端の研究のみならず広く一般に開放されてきた、敷居の低い天文台でした。今でも、誰でも参加できる「天体観望会」を毎月開催し、人数制限をしている中でも年間3000人は参加されるそうです。
花山天文台には、約100年にわたる観測データの蓄積だけでなく、今となっては貴重な望遠鏡の数々、時刻を星で測定する機器、100年前の時計など、お宝の宝庫。建物自体も、昭和初期の木造建築として貴重な存在です。
花山天文台の教育普及の取り組みもあってか、日本の「アマチュア天文学」のレベルは世界一です。アマチュアが見つける星の数が抜きんでているとのことでした。
ところがこの花山天文台も、閉館の危機にあります。大学の研究予算も年々厳しく、維持費や観望会に必要な年間1000万円が得られないとのこと。寄付を募って必死で頑張っていらっしゃいましたが、現状は厳しく、今後、天体観測と文化のコラボや産業との連携など、いろんな取り組みをされるそうです。天文ファン、宇宙ファンの一人として、私も応援していきたいと思います。