いさ走る(主張・メディア掲載)

2013.10.01 新しいエネルギーへの挑戦

「地上に太陽を!」太陽が宇宙で輝く原理を地上で再現することによって、エネルギーを生み出そうという「核融合炉」の研究は、世界の科学技術を結集して取り組んでいるところです。この「核融合」は、海中に豊富に存在するトリチウムと重水素の燃料わずか「1グラム」で、タンクローリー1台分(8トン)の石油に相当するエネルギーを得ることができます。そう、あの映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に登場するタイムマシン、「デロリアン」の動力部分です!

2027年の試験開始を目指して、日本とEU諸国、米国、ロシアなど世界の主要国が参加するビックプロジェクト「ITER(国際核融合実験炉)」、日本は炉の最重要な部分、コア技術である炉内部を担当しています。今回は、まさしくその最重要部分を製造中の、兵庫県の「三菱重工業株式会社」を訪問いたしました。

工場内部は、日本のテクノロジーの粋を結集した工程のため、撮影は禁止。関係者以外は、立ち入り厳禁でした。それもそのはず、すさまじい技術でした!!炉心1億度以上の高温と、強力な電磁場にも耐えられるコイルとプレートは、14m×9mの大きさの鋼鉄の塊。この巨大さにもかかわらず、許される誤差はわずか1ミリ!また長さ2kmもある鋼鉄のコイルを巻きつける際にも、誤差0.2ミリという設計要求を満たすんだそうです。

金属加工をするにしても、あまりに巨大なために、寝かせて削ってしまうと、立てた時に、自重でひずんでしまいます。超巨大な金属の塊を、立てたままで数ミリの誤差で削っていく。これが出来る機械は、世界では三菱重工業のこの工場にしかありません。海外からも、数々の受注を受けているそうです。まさしく、日本の「ものづくり力」の粋たるものです。
しかし、近年は韓国や中国勢がすごい勢いで追いついてきているとのこと。まだ、日本がリードしているうちに、研究者や技術者が活かされる、活躍できる場をつくっていくことが大事です。「ものづくり」こそが、日本の成長戦略の一丁目一番地です。きたるべき国会でも、がっつり論戦していきたいと思います!