いさ走る(主張・メディア掲載)

2014.01.16 障がい者就労施設の抱える課題

毎日、地域をずっと回っていると、ほんとうにたくさんのお声を頂けます。中小企業の皆さん、幼稚園の先生、地域のスーパー、建設業の方々。皆さん、それぞれに悩み、課題を抱えておられます。本日は、障がい者の就労支援施設がおかれている現状について、じっくりお話を伺いました。

障がい者の就労施設では、商品の袋詰めや、広告の折り込みなど、いろんなところから仕事をもらってきて、障がい者の利用者の皆さんにしていただき、その売り上げの中からお給料を支払っています。

就労施設(継続支援)は二つにわかれます。利用者の皆様と雇用契約を結んで、月7万円くらいのお給料を支払うA型施設。そして、重度の方々で雇用契約を結ぶのは難しく、月1万円しかお給料を払えないB型の施設です。実はこのA型施設もB型施設も、国からの補助金は一緒、必要な職員の数も一緒、訓練を提供するところも一緒。違うのは、利用者の皆様に支払う給料が、7万円か1万円かと言う点だけです。

A型施設を維持されるのは、本当に大変です。国は、A型の施設の方が、重度の利用者が多いB型よりも、お金の稼げる仕事ができるはず、だからその稼いだお金で、一定程度の給料を支払えるはずだ、との考えです。しかし現場は違います。A型といっても、仕事がなければどうしようもありません。実際は、A型施設とB型施設の仕事の内容は、さほど変わらないんです。いわゆる単純作業の内職ですが、12人で1か月間仕事をして、発注先からもらえるお金は、なんと1万円だけ。施設全体の売り上げが、月1万円だけなんです!

施設の維持のため、職員数を減らしてもらうか、あるいは最低賃金の特例措置で、更に低い給料とするか。A型施設の皆様は、さまざまにご苦労をされていますが、どれも根本的な解決にはなりません。根本的な解決方法は、障がい者の皆さんの特徴を活かすことのできる、高付加価値の仕事を見つけることができるかどうかです。強みを活かして、稼げる仕事をつくることができるかどうかです。

健常者が長時間、我慢できない作業でも、障がい者の皆さんはほんとうにコツコツと、丁寧に仕事をされます。あるいは、ものすごく手先が器用だったりします。こうした得意分野を活かせる仕事をマッチングさせる、何らかの制度が必要だと痛感しました。

障がい者の施設を何とか維持、運営される皆様のご努力には、頭が下がります。政治がしっかりとサポートできるよう、頑張って参りたいと思います。