いさ走る(主張・メディア掲載)

2013.11.14 脱原発に必要なもの

脱原発への道のりにおいて、持続可能に社会が発展していくためには、必要なことは3つあります。一つは、社会全体が必要とするエネルギーを減らすことです。たとえば、家庭や企業における節電、あるいは燃費の良い自動車の開発や、エネルギー効率のよい工場の建設などです。二つ目は、原発の代わりとなるエネルギー源も必要となります。安定的に電気を供給できるような電気システムをどうつくっていくか。そして三つめは、気候変動への対応です。二酸化炭素の排出量を増やすそれは石油や石炭といった化石燃料は、原発の代わりのエネルギーとすべきではありません。あくまで、太陽光発電や、風力発電、バイオマスといった、再生可能エネルギーをいかに普及させるか。これら3つがポイントとなるでしょう。

ドイツは、2022年までに原発ゼロを目指すため、こうした観点から、様々な目標をかかげて、取り組みを進めています。ここ脱原発に最も野心的な取り組みを進めているバーデン・ヴェルテンベルク(BW)州では、「50 80 90」という目標を掲げています。これは、2050年までに、電力需要を現在(2010年)の「50%」にするという目標、再生可能エネルギーを電力供給の「80%」に、そして排出効果ガスを1990年比で「90%」カットするという運動です。こうした再生可能エネルギーの実用化、普及を通じて、脱原発への取り組みを進めています。

ドイツ全体で、電力発電量に占める原子力の割合は2000年の30%から17.6%まで下げてきました。ここBW州の原子力依存度は高く、これまで50%でしたが、現在は30%まで下げてきたと言います。州内にある4基の原子力発電所のうち、福島原発事故後すぐに2基の稼働を停止し、現在、稼働しているのは2基のみです。こうした決断にあわせて、再生可能エネルギー、とりわけ太陽光発電への投資を増加させてきました。

さて、脱原発を目指すためには、ドイツの例をみてみても、再生可能エネルギーの研究開発をいかに進め、普及を目指すかがそのカギになります。ドイツが採用した取り組みを、次回、紹介させていただきます。