いさ走る(主張・メディア掲載)

2013.07.26 沖縄科学技術大学院大学を視察

本当の国際的な大学とは何か。世界中の優秀な学生が集まってくる知の拠点たらんとして、昨年、第一期生を迎えて開学したのが、「沖縄科学技術大学院大学」です。夜に沖縄に到着して、次の日の昼過ぎには大阪に戻るという強行軍で、同大学を訪れました。

エメラルドグリーンに輝く海と、真っ青な空の下、緑に囲まれたキャンパスには、世界18か国から集ったのは、すべて「博士課程」の研究者。その半数以上が外国人で、授業はすべて英語、既に秋入学制度を導入し、しかも学部や学科と言った縦割りはありません。また、教授や准教授の間にも上限関係が無く、それぞれが独立して研究チームを引っ張っています。大学にあるのは、学部ではなく、各研究チーム。研究棟の中では、各チームを遮る壁が無く、自由に行き来ができ、各分野のスペシャリストたちが、日常的に融合しあっています。
「沖縄科学技術大学院大学」での研究は、始まったばかりです。専門分野を超えて研究者たちが協力しあいながら、最先端の研究を行っています。次世代の太陽電池の研究、食べても血糖値が上がらないお米の研究、世界最高の分解能を持つ電子顕微鏡での細胞構造の研究、また、プロペラを海中に沈めることによって、台風の影響なども受けず、潮の流れで発電することができる「潮力発電」の研究。その他、たくさんの研究チームがありますが、そのどれもが、人類の直面する課題を乗り越えるブレークスルーとなるかもしれません。

国民の貴重な税金を投入する以上は、しっかりと成果を出して、新しい産業につなげていく必要があります。エネルギー問題の解決につながる必要があります。病気で苦しむ方々に、最先端の治療を届ける必要があります。そしてまた、戦時中、戦後と大きな重荷を背負ってこられた沖縄の振興に、貢献していく必要があります。   「沖縄科学術大技学院大学」の今後の発展に、大きく期待したいと思います。