いさ走る(主張・メディア掲載)

2013.06.19 「安定」とは何か(与野党の攻防に思う)

国対(国会対策委員会)とは、国会の運営の戦略を練るところ。ねじれ国会の中で、どの法案をどのタイミングで通すか、野党とどのように交渉していくか、毎朝集まって議論をしています。一年生議員は全員、国対のメンバーとして、国会における激しい攻防を肌で感じ、勉強させて頂いております。

そこで痛切に感じること。今の国会の状況では、行き詰った日本を前に進めるのはあまりにも困難です。もちろん、与党として最大限の努力をはらって、一歩、また一歩と日本を前に進めています。しかし、グローバル社会のめまぐるしい変化、そしてその中で、日本がずぶずぶと沈んでいく速度を考えると、あまりにやるせない。今一番必要なのは、日本を前に進めるための「安定」です。「安定」こそが絶対に必要です。

今、国会では何がおこっているか。我々の生活に密着した様々な課題、国民生活に影響を及ぼす法案。たとえば、年金であったり、健康保険の法案であったり、あるいは電気事業の改正の話であったり。こうしたものを衆議院、参議院の両院で可決することによって、日本を一歩ずつ前に進めていくことができます。しかし現状では、法案を衆議院で可決したとしても、それを参議院に送ることができないんです。現在のねじれ国会においては、どれだけ誠実に法案の審議を重ねたとしても、政局という政党間の駆け引きによって、一気にこれまでの努力が吹っ飛んでしまいます。参議院で、いとも容易に否決されてしまう場合があります。ひどいのは、民主党が与党時代に賛成していた法案も、野党になった瞬間に、なぜか反対に回ってしまうんです。

さらには、審議されて否決されるならまだしも、審議すらされない場合もあります。まさしく、忸怩たる思いがあります。衆議院で法案が通っても、野党多数の参議院では、審議すらされることなく、吊るされています。このまま国会会期末を迎えると、国民の多くの声を受けた法案、各省庁が議論に議論を重ね作り上げた法案、そして衆議院を何とか通過させた法案は、すべて廃案になります。もともと、何も無かったことになってしまうです。こんな政治の状況で、いいはずがありません。これでは到底、日本の現状を打破することができません。

世界からはすでに、あきらめの目で日本が見られています。海外諸国と激しい交渉の結果、なんとか政府間で合意した協定や約束事。これも、衆参両院で可決しなければいけません。相手国はとっくの昔に議会の承認手続きを終え、あとは日本の国会承認を待つのみという協定です。与野党間ですでに合意をしているにもかかわらず、野党の政党の駆け引きに使われてしまう。衆議院が通っても、参議院はとおさない。日本の政治はいったい何をやっているのか。海外諸国から、もはや日本はまともに相手をされなくなってしまいます。

だからこそ、「安定」なんです!「安定」した政治、「安定」した経済、そして「安定」した日本を取り戻す。来るべき都議選、参院選は、まさしく土壇場に立った日本の、未来を分かつ分岐点だと思います。なんとしても、行き詰った日本の現状を打破する、日本を大きく前に進める、そのためにも、私自身も全力で頑張ってまいります!!