いさ走る(主張・メディア掲載)

2012.07.06 7月7日に寄せて―地球の未来をつくる「星空」

7月7日。
この日は言わずと知れた「七夕」の日であり、
「クールアース・デー」でもあります。
電力消費量を抑えるだけでなく、
地球温暖化問題など
「地球にやさしいこと」を考える日なんです。
多くの施設でライトアップが消灯され、
かわりにキャンドルを灯すイベントを行ったり、
あるいは暗がりの中で星空を眺めたり。
あの東京スカイツリーも、「クールアース・デー」に協力するようです。

私は、幼い頃から「地球」や「宇宙」といったものが大好きでした。
私と同じ団塊ジュニア世代であればご存じかもしれませんが、
学研まんが ひみつシリーズとして刊行された「宇宙のひみつ」、「地球のひみつ」は
擦り切れるまで何度も読みました。
夜空を見上げるごとに、
「宇宙の彼方には何があるだろうか」
「いつか自分も宇宙から地球を眺めることが出来るだろうか」と、
想像を膨らませていたことを思い出します。
幼い頃に抱いた想いは、ずっと長い間、知らないうちに私を導いていたのかもしれません。
結局、大学では宇宙工学を学び、
そして仕事では、文部科学省で宇宙開発や地球温暖化対策に携わることになりました。

「漆黒に浮かぶ、奇跡の碧い星。」
私はある宇宙飛行士の方に、「宇宙から見た地球はどんな感じでしたか?」と質問しました。
その時に返ってきたのが、この言葉でした。
灼熱の太陽の光、全てを凍らせる闇、水も空気も存在しない黒い空間。
しかしその中に、まばゆいばかりの青と緑の光を放ちながら、
水と空気と、そして生命にあふれた地球が浮かんでいる。
それはまさに「奇跡」といえる。
そしてその「奇跡」は、はかなくもあり、また同時に力強くもある。

クールアース・デーには、
是非、恋人同士でロマンチックにこの「奇跡」を語ってみてください。
また、家族と一緒に夜空を眺めて、「奇跡」を話し合ってみてください。
分刻みで働くビジネスマンも、
子育て奮闘中のお母さんも、
宿題に追われる高校生も、
唾を飛ばしながら議論する政治家も。
今日一日だけ夜空を見上げて、この「奇跡」に思いをはせてみてください。
それができれば、我々は、「地球にやさしい」だけでなく、人にも優しくなれるかもしれません。