いさ走る(主張・メディア掲載)

2016.05.11 再生医療が拓く新たな治療法と可能性

大阪大学の澤芳樹先生と、iPS細胞の実用化について、意見交換いたしました。
澤先生は、重い心臓病患者の方々への治療のため、iPS細胞から心臓の筋肉を作ろうと、研究を進めておられます。最先端の治療法ですが、その実用化も遠い話ではありません。
来年度中には臨床研究に入り、その5年以内には患者さんのもとに届けると、力強く語って下さいました。

こうした分野では、研究者の皆さんの努力を後押しするための、「政治」の役割が非常に重要になってきます。たとえば、実用化への規制が強すぎると、なかなか患者さんのもとに届きません。また、研究は文科省、臨床試験は厚労省、実用化は経産省といった縦割り行政を突破させるのも、「政治」の重要な役割です。

澤先生と盛り上がったのは、「やっぱり医療は、大阪関西が日本を引っ張るべきでしょ!」と共感しあったところ。
緒方洪庵は、医学を教える「適塾」を大阪で開き、また道修町には天然痘の「除痘館」を作りました。すると、薬屋や医者が自然と大阪に集まり、今でいう「産業クラスター」になりました。
今でも、日本の名だたる製薬会社の多くが、大阪道修町発祥です。再生医療だって、京大の山中先生、阪大の澤先生、そして神戸理研の高橋先生と、関西圏はiPS研究のメッカ。医療や創薬に威力を発揮するスパコン「京」も神戸。歴史的にも、現在的にも、医療の最先端地域となる素質十分だと思います。

今後も、研究者の努力を政治がしっかりとバックアップしながら、世の中を変える最先端医療を、患者さんのもとに一刻も早く届けていきたいと思います。