いさ走る(主張・メディア掲載)

2015.11.20 「子どもの貧困」に向き合う

現在、日本の社会は6人に1人の子どもが、OECDの定める「相対的貧困」に苦しんでいます。とりわけ、ひとり親家庭の貧困率は54.6%で、OECD34カ国で最悪の状況です。
 子どもは親を選べません。たまたま貧しい家庭に生まれてしまったがために、十分な教育が与えられず、「貧困の連鎖」が断ち切れない。十分な教育を与えられない親だって、本当に苦しいと思います。こうした貧富の差は、日本ではますます拡大しています。
 アベノミクスの「新三本の矢」で、「夢をつむぐ子育て支援」をうたうなら、こうしたひとり親家庭への支援、低所得者の子育て世帯への支援こそ、大事な一つの柱であるべきです。
 「子どもの貧困」に、どういった具体的な手がうてるか。たとえば、「児童扶養手当」です。「児童扶養手当」は、1人目の子どもに対しては4万2千円が付与されますが、2人目を生んでも5000円しかもらえません。3人目を生んでも、3000円しか増えません。日本の財政状況を考えれば、「みんな4万2千円ずつにしろ」とは言えないでしょうが、もう少し差をつめられないでしょうか。これでは第二子、第三子を生むことが奨励されているとは思えません。
 「子どもの貧困」と戦っている、一般財団法人「あすのば」の方々から、現場の事情を様々伺いました。いろんな対策について議論をさせて頂きました。同法人では、貧困で苦しみながらも大学まで進学した学生たちが、理事として活動をされています。彼ら彼女らの言葉にも、心を動かされました。  第二ステージとして始まった「新三本の矢」。そこに、きちんとタマシイを込められるかどうか。年末に向けて活発に議論をしていきます。