日中平和友好条約40周年を記念して中国の四川省成都でこのほど開催された「新時代国際経済文化サミットフォーラム」に、日本の国会議員で唯一、出席の機会を得ました。
日中関係は、1972年の国交正常化から現在に至るまで、民間交流が大きな役割を果たしてきました。外交レベルでさまざまな課題があったとしても、民間交流が関係を支えてきたことが大きな特徴です。今回のフォーラムは、草の根の民間交流を重ねてきた人たちが集まって開催されました。
印象的だったのは、田中角栄元首相のご子息である田中京氏のスピーチです。
京氏によると、日中国交正常化の交渉で訪中する前夜、田中元首相は家族に対して「何があるか分からないから覚悟するように」と語ったそうです。当時、日中関係を語ることがいかに危険なことであったかを示すエピソードです。こうした時代背景の下、公明党の創立者である創価学会の池田大作・第3代会長(当時)が日中国交正常化を提言したことが田中元首相の訪中につながったと、京氏は高く評価していました。
私も、日本の国会議員を代表して、講演する機会をいただきました。日中関係にかける熱い思いを直接伝えるため、あえて通訳を頼まず、自身の中国語で挑戦。(1)国内総生産がそれぞれ世界第2位と3位の経済大国である中国と日本の関係は、二国間だけでなく東アジア地域や世界にとっても重要(2)だからこそ、両国の唯一の選択肢は、平和的に共に発展する道しかない――という主旨で必死に訴えたところ、参加者から多くの賛辞を頂きました。日中双方の国民が共有する平和と友好を求める気持ちを基礎とし、互いに向き合うことが今の両国にとって必要であることを強く確信しました。
同フォーラムには、これまでの日中関係を築いてきた諸先輩だけでなく、若い世代の人も多く参加していました。今後も日中両国の間には、隣国同士さまざまな問題が起こるかもしれません。しかし、こうした“新世代”とも連携しながら、日中関係を支えたいと改めて決意しました。