いさ走る(主張・メディア掲載)

2012.07.17 子ども達の眼に「輝き」を取り戻したい 水谷修氏が講演

7月3日、鶴見区民センターで開催させていただきました「いさ進一 トーク&Talk」に、夜回り先生として有名な教育評論家・水谷修さんが駆けつけてくださいました!

全国から寄せられる子ども達からの手紙やメールへの返答、各地での講演、繁華街での夜回りなど、大変ご多忙なスケジュールの中、水谷先生には約50分間にわたりご講演をいただきました。本当にありがとうございました。

また、平日の夜にも関わらず多くの方にご参加いただき、御礼申し上げます。
私自身も、水谷先生のお話に感動が止まらず、用意していた政策に関する話を差し置いて、私が幼少の頃からの両親との思い出を振り返りつつ、話をさせていただきました。
ブログでは一部ですが、水谷先生のお話をご紹介させていただきます。
(講演いただいた内容の一部のみ、要旨を掲載いたします)

 

子育てとは「親が子どもに生き方を見せる」こと

水谷氏:いま私が懸念していることは、人間が活動する「昼の世界」に、夜の世界が入り込んできていることです。夜の世界で大人が抱くイライラが子どもへと伝わり、子ども達の生きる気力が失われています。子どもの眼から「輝き」がなくなってきているんです。バブル景気が崩壊して以降、社会全体がイライラしている。不景気でイライラしている会社で、働くお父さんが怒鳴られる。そのお父さんが家に帰りお母さんに怒りをぶつける。そしてお母さんが子ども達を叱りつける。こうした連鎖があることは、みなさんも心当たりがあるのではないでしょうか。どうか今夜家に帰ったら、「ごめんね」と書いたお好み焼きをつくって、子ども達にプレゼントしてあげてください。1日に30個、優しい言葉や温かい言葉をかけてあげてください。そして親が本当に教えたい生き方は、単に言葉だけで伝えてはいけない。生き方は見せるものです。公共への献身、正義に生きる姿。それを「こうしなさい!」と言うのではなく、親が自ら行動すれば子どもには伝わります。どうか子どもには温かい言葉をお願いしたいのです。

 

「子ども達への優しさ」を取り戻したい

水谷氏:今、日本では100万人がリストカットの経験をもっているといわれます。10代後半から20代前半においては6~7%。これは異常事態。どんな子どもも「たくさんの愛に囲まれて人生を送りたい」と希望に胸を膨らませて生まれてくるにも関わらず、今の時代はこれが現実です。
子ども達への優しさを大人が忘れている。これは旧友の筑紫哲也氏も指摘していました。日本が開国した当時、海外のジャーナリストたちは「日本の子どもは世界で最も美しい。理由は簡単だ。みなが子どもをいたわり、愛しているから」と出版した書籍に綴っている。かつての日本はそんな姿だった。キラキラと眼を輝かせる子どもを、地域の大人がみんなで育てていたんです。私は生前、筑紫氏に「必ず取り戻す」と誓いました。彼は「天国で祈っている」と遺して旅立ちました。

 

講演の冒頭には3・11東日本大震災のエピソードを、また最後には沖縄戦の話から、生命の大切さをあらためて考えさせられる内容でした。

ニュースでも報道されていますが、滋賀県大津市では「いじめ」によって中学校2年生が自ら命を絶つという痛ましい事件が起こりました。2010年度に小・中学校、高校の「いじめ」は認知されただけで約7万8000件。前年度に比べて7%前後も増加しています。今回は市教育委員会のずさんな対応が際立っていますが、こうした事件が起こる度に、メディアも責任追及ばかりに終始しがちです。「おれは悪くない」、「誰それが悪い」等、いい加減そういったことから抜け出して、子どもの悲痛な叫びを受け止めるべきです。子ども達の取り巻く環境を、真摯に検証することが必要です。
政治がすべきことは、もっともっとたくさんあるはず。行き場のない子ども達のために、自らをなげうって戦っている水谷先生のお話を伺い、私自身もできることは、すべて取り組んでいこうと、固く決意いたしました。

水谷先生、本当にありがとうございました。

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