いさ走る(主張・メディア掲載)

2015.08.27 日本の科学技術の祭典「イノベーション・ジャパン2015」

「イノベーション・ジャパン2015」は、コミケに次ぐ(?!)、東京ビッグサイトの大きなイベントです。日本の大学や、ベンチャー企業が、その研究成果を所狭しと展示して、さらなる産学連携につなげていく場となっていて、大賑わいでした。中国からも、たくさんの大学が参加していました。

いくつか印象深かったものを紹介すると、ひとつは、超極細のファイバースコープです。たとえば、細かく枝分かれする肺のガンでは、奥の方まで内視鏡も入りません。しかしこの極細のファイバースコープなら、一番奥の末梢にあるガンに到達することができ、先端からの各種の光で検査するだけでなく、がん細胞を壊死させることもできます。

手術に使う内視鏡の技術もすごかったです。医師の額にチップを張ることで、顔の動きに合わせて、体の中の内視鏡も位置を変えることができるという技術でした。

あと、感動したのは、芸術と科学の融合。最先端の科学技術を使って、ゴッホの「自画像」、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」、葛飾北斎の「富嶽三十六景」などを、そっくりそのまま再現しています。しかも、この再現の仕方がすごいです。キャンパスそのままの絵の具の質感、厚さ、乾いた時の細かな割れまで、表面の細かい複雑な凹凸までがすべて、そっくりそのままコピーされています。

硬さも肌触りも全く一緒です。普通、美術館に飾られている絵画を触ったら、大変なことになりますよね。これは、本物と同じものを、触ることができるんです。ゴッホは、こんなに厚塗りなんだとか、フェルメールは薄いんだとか、明るい色の方が絵の具がいっぱいいるんだなとか。さらには、高松塚古墳の壁画の再現もあり、絶対触れない表面の肌触りを感じることができました。

他にも、圧倒される展示がたくさんありました。様々なところで、我々の生活を変えるかもしれない科学技術。今後も、力を入れていきたいと思います。